春の記憶

春はいつも、どことなく重く感じる。
春はなんとなく煮詰まる。
春は苦手だ。

なんでだろう?と思いを巡らすと、

まずは、花粉症。
十年以上前に花粉症を発症してから、毎年この季節は憂鬱になる。
ここ数年は、症状も軽くて薬を飲まなくても平気になってきたのだが、
長年の経験から、花粉の症状を感じたくない=体の声を知らず知らず、聴かないようにしていた。

それと、春は別れの季節。
転勤続きの生活で、せっかく親しくなった人たちと別れることの辛さを感じないように
心を閉ざすとまではいかないけれど、
心も鈍感にしてきた。

体も心も、感じないようにすることで守ってきたところがある。

経験からくる思い込みによって、
季節の中で一番自分とかけ離れる季節にしてしまっていたのかもしれない。

すっきりと晴れ上がった空や、まぶしい陽射し
ふわっと暖かな空気
元気な鳥の鳴き声
草木は芽吹き、つぼみは膨らむ
どこからともなく漂ってくる花の香り

そんな美しい季節に長い間
体と心は追いついていなかった。

だとしても、そんなときがあってもいいと思っている。
人生はいろいろあっていい。

記憶でなく、今の自分で春を感じることを
体の重さや、煮詰まった感じが思い出させてくれた。

 

 

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