うちの夫婦は今年で結婚23年目になります。私は2008年にある気付きの体験と心理の学びを始めるまでは、
ごく普通の専業主婦であり、2人の息子の母親でした。
この年を契機に私自身が変わり始めました。よき妻、よき母、いい人を徐々にやめていったのです。
本来の自分、本当の私らしい生き方を求めることは、これまでの生活に大きな変化とストレスを伴います。
何度も夫とぶつかり、ケンカし、衝突し、言い合いになってきました。時には、物も飛び交いました。
理解してもらえない悲しみ、被害者意識、もう自分には無理だというあきらめを何度も行ったり来たりしていました。
変化を望む私と、望まない夫。今から思えば、両者ともにベクトルの違うストレス状態でした。
そこで、夫の中では何が起きていたのか、妻である私の視点から考察してみたいと思います。
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まず、私が出かけることが増えました。
当時、小学生と中学生の子どもをおいて昼も夜も友人たちと遊びに行ったり(九州各地の神社仏閣を訪れていました)
夫が休みの日に心理の講座に出かけることが多くなりました。
(この時、私は私の人生を楽しんでいい。自己犠牲的に家族に尽くさなくてもいいという思いが私の中にありました。)
最初、夫は戸惑ったようです。
「なにやってんだ!子どもをおいて」から始まり、母親の仕事をしていないことをなじりました。
この時夫の中で起きていたことは、妻の変化に対する恐れです。
恐れからくる抵抗として、怒りを私にぶつけてきました。
妻はこうあるべき、母とはこうあらねばならない。→「お前はいったい何をやっているんだ!!」となりました。
このとき同時に、夫自身の子ども時代の母親から満たされなかった感情や、得られなかった体験が重なり、
更に私を責める方向へいきました。→「こどもがかわいそうだ」「母親のくせに」「ろくにそうじもしないで」
自分以外の世界に意識を向け始めた妻に対して、実際かわいそうなのは「おれだ」とは、口が裂けても言えません。
男のプライドがありますし、そのからくりにも気づいていません。本人も気づかぬうちに不安の中にいたことでしょう。
そのうち私を疑ったり試したりと、コントロールしようとし始めました。
すでに夫婦のエネルギー関係が変化し始めているときなので、私もすごく揺さぶられ苦しい思いをしました。
いっそのこと離婚したら楽になれるのに、と何度思ったことでしょう。
しかし子どものことがあり、離婚には踏み切れませんでした。
夫が変化を望まないのは、子どもの教育を一番に考えていたからです。
そのためのちゃんとした食事、行き届いたそうじ、母親として家にいるべきだ、子どものために・・・
そこは父親としての責任を働くことで果たしてくれているので、私も受け入れざるを得ませんでした。
夫として、父親として、家長として家族を守る責任を果たしてくれていました。
しかし、それとこれとは別です。人形のように言いたいことも言わず、言われたことに従い、
作り笑いをし、相手に合わせる・・・そんな不自然な状態が続くわけがありません。
もしそのまま自分を抑え続けて我慢する生活を続けていたらどうなっていたでしょう・・・
夫とのコントロールゲームは行きつ戻りつの状態がしばらく続きました。
しかし、徐々に夫にも変化が訪れました。
私が心理の学びを始めたことで、被害者意識から脱却してゆくにつれて、
夫に対する態度、まなざし、行動が変わり始めたことが大きいです。
私の笑顔が増え、毎日生き生きとしている姿を見て、夫の中では、
妻である私に対する理解、納得、あきらめ、期待などがあったと思います。
結局夫は、私の笑顔が一番うれしいようでした。今では私の仕事を応援してくれています。
(ただし、これは2人の息子が大学に入ったからという時期的なこともあります。
私自身も自分の好きなことに集中するのは、子ども達が大学に入ってからと決めていました。
親としての責任と少しの罪悪感がありましたし、不器用な私はあれもこれもできなかったのです。)
私は夫を尊敬していますし、毎日満員電車に揺られて仕事してくれることにも感謝しています。
私がこうしていられるのも、夫のおかげ。
7年くらいかかりましたが、無意識にお互いをコントロールしていた状態から解放されたことを
今こうして振り返ると、それによって成長できたこと、夫への理解が深まったことなど、
得られたことはたくさんあります。
相手をおもんばかる・・・簡単なようで難しいことです。
時に心が折れそうになったり、絶望的な気持ちになったり・・・
思うようにいかないところには、自分自身の成長の種が潜んでいるのだと感じています。
だから、自分らしい生き方を望んでいる人を私は応援したいのです。
あきらめても、あきらめきれない気持ちを、どうか大切にしてください。