今から25年ほど前、OLの時に1人暮らしをしていました。
その日は昼食後からかなり腹痛があり、午後から休みをとって病院に行きました。
痛みの原因はわからなかったのですが、まだ我慢できる状態だったので
痛み止めの注射をしてもらって帰宅。
しかしその日の夜遅く、トイレで激しい腹痛を起こして動けなくなってしまったのです。
脂汗のようなものも出て、吐き気もありました。
いつもと違う・・・
”このまま死んでしまうかも”・・・という思いがよぎりました。
しばらく耐えてから這うようにして電話をとり、119に電話。
あまりはっきり覚えていないのですが、
この程度で救急車を呼んでいいのかどうか、聞いた覚えがあります。
「行きますから、玄関のかぎを開けて待っていてください」
親切な救急隊員さんが応対してくれました。
マンションの4階に住んでいたのですが、
申し訳なく思い、1階近くの階段に座り込んで待っていると
ほどなくして、救急車が到着。
状態を話して、救急車に歩いて乗り込みました。
近所の人たちが心配そうに集まっています。
近くの外科へ運ばれ、血液検査をしました。
医者たちの声が聞こえます。
「測り間違いじゃないの?」
「もう一回検査する?」
私の白血球の数値が尋常じゃなく高かったらしいのです。
再検査しても数値は変わらず、大きな病院を紹介されました。
救急車は症状の確認をすると、帰っていきました。
私は動けたので、タクシーで大きな病院まで1人で行くことになりました。
「1人で大丈夫です」とかなんとか、話していたと思います。
(我慢しなくていいのにねぇ~と今の私なら思うのですが、まだ遠慮深かった時代です・笑)
が、しかし、そこで困ったことが・・・
タクシーに乗ってから気づいたのですが、財布に現金がない!
外科で支払ってしまい、財布には1000円しか残っていません。
当時はまだ、タクシーでクレジットが使えませんでした。
運転手さんに「お金が1000円しかないので、行けるところまで行ってください」
とお願いしました。
(そこからどうするのか?と思いますが、歩いていくつもりだったのか覚えていません)
私の様子を心配そうに見ていた運転手さんが、
「大丈夫。1000円で着くように運転するから」と言って下さり、
なんとか病院に到着。
(いろんなワザを話してくれました)
そして私は、そのまま入院となりました。
病名は「急性虫垂炎」・・・盲腸でした。
結局手術はせず、薬で散らす治療をしました。
親切な救急車の隊員さんと、
やさしいタクシーの運転手さんに助けられて、
今の私がいます。
救急車やタクシー、システムや手段かもしれませんが、
動かしているのは”人”です。
仕事とはいえ、やさしい気持ちや親切な心に
私は助けられたのだと思っています。